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約700名の現役医師に向けて”働き方改革”に関するアンケートを実施

32万人以上の医師会員を有するエムスリーグループで医療人材ビジネスを展開するエムスリーキャリア株式会社(代表取締役:沼倉敏樹、本社:東京都港区)では、約700名の現役医師に向けて”働き方改革”に関するアンケートを実施しました。

今回は、「働き方改革に対する医師のホンネ」というテーマで、働き方改革に対して医師は実際どう感じているのか、データから読み解いていきたいと思います。

 

はじめに:医師は”複数の勤務先で働く”ことが当たり前

まず今回の働き方改革での主な着眼点は、「時間外労働時間が年間960時間を超えないかどうか」という点です。(一部医師は上限が1860時間)この時間外労働時間に上限が設けられる方針を見ていくにあたり、 “医師は複数の勤務先で働くことが当たり前”という大切な観点について解説します。

医師は、主たる勤務先(常勤先)と他に、アルバイトとして定期or単発で働く別の勤務先(非常勤先)を持っていることは珍しくありません。一般企業でも副業が浸透しつつありますが、その感覚とは少々異なり日々の常勤先勤務シフトの中に定期的に非常勤先が組み込まれているイメージです。

病院は基本的に24時間365日医師が在籍している必要があるため、日中は常勤先で働き夜間は非常勤先で勤務するという勤務形態や、外来のない土日だけ非常勤先で勤務するなど、多様な働き方が存在します。(常勤先の規定により、非常勤先での勤務が認められていない場合もあります)つまりは、収入減が1病院ではないことが当たり前なのです。

 

医師の働き方の一例:

そのため、今回の働き方改革の影響を受けて「労働時間が減少する」と表現される中には、大きく分けて”常勤先での労働時間が削られるケース”と”非常勤先での労働時間が削られるケース”が存在します。また、深夜時間帯も基本的には勤務となるため、比例して月の労働時間が法定労働時間(週40時間)を大幅に超えてしまうことが問題になりやすいのです。

(※夜間や休日が労働時間対象外となる制度、いわゆる”宿日直許可”の考え方がありますが、本記事では割愛します。)

 

常勤先とは別に非常勤先を持つ主な理由として

・さらなる収入アップ

・常勤先では得られない技術の研鑽

・所属先からの依頼による派遣

などが挙げられます。

この前提を踏まえた上で、働き方改革に対して医師はどのような印象を抱いているのか、見ていきましょう。


調査概要:

・調査内容:”医師の働き方改革”に関するアンケート調査

・回答者数:エムスリーキャリアに登録している医師704名

・回答期間:2023年11月末~12月初旬

 

調査結果サマリー:

■週当たりの労働時間について

・法定労働時間(週40時間)を超える医師は全体の69.5%

・週60時間以上働いている医師は17.8%と決して低くない結果となる

■労働時間や収入への変化について

・変化ありもしくは分からないと回答している医師が全体の53.4%

・分からないと回答した医師は、2024年4月が近づくにつれて自身への影響がさらに明確化してくる予想


■労働時間や収入への具体的な変化の内容

・総収入の減少が最も多く59.2%を占める。次いで勤務時間減少が22.4%

・「総収入の減少」または「勤務時間の減少」と回答した医師は、働き方改革に対してネガティブな印象を持っている傾向が強い

 

 

結果1:現在の勤務地

人口割合に沿って、全国の医師から満遍なく回答が得られました。

※小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計が100.0%にならない場合があります

 

結果2:現在の勤務先施設

病院での勤務が全体の約75%を占める結果となりました。(その他には企業・健診センター・診療所・公的機関・老人保健施設などを含む)

※小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計が100.0%にならない場合があります

 

結果3:週当たりの労働時間

冒頭でも説明したように、週の法定労働時間(40時間)以上勤務している医師は全体の69.5%にも及びました。また、働き方改革の上限である年間960時間を超えないためにはおおよそ週60時間以内に労働時間を抑える必要がありますが、現在週60時間以上働いている医師は17.8%と決して低くない結果となりました。2024年4月の施行に向けて、労働時間を法令基準内に抑えていく努力が必要となりそうです。本労働時間には先ほどご紹介した「常勤先」と「非常勤先」が含まれています。

※小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計が100.0%にならない場合があります

 

結果4:労働時間や収入への変化

医師の働き方改革の影響で今後の労働時間や収入に変化がありますか?(あると予想されますか?)という質問に対して、まだ「変化なし」が約半数の46.6%となりました。しかし、「分からない」と回答している医師も28.8%存在しているため、2024年4月の施行が近づくにつれて医師自身への影響がさらに明確化してくると予想されます。

※小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計が100.0%にならない場合があります

 

結果5:(結果4に関して)の具体的な影響

具体的にどのような影響がありますか?との質問には「総収入が減少する」と回答した医師が全体の59.2%にも及びました。労働時間に上限が設けられるため、それに伴い総収入が減少となります。「勤務時間減少」と回答した22.4%は、勤務時間が減ること自体をポジティブに捉えているのかネガティブに捉えているのかはここからは読み取れません。

※小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計が100.0%にならない場合があります

では、「総収入の減少」と「勤務時間の減少」と回答した医師は、働き方改革に対してどのようなイメージを持っているのか、実際の医師の回答結果を基にご紹介したいと思います。

 

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・仕事量は変わらないのでサービス残業やサービス勤務、急な呼び出しが増えるだけではないか?

・働く割に報酬が少なくなっていると実感する。

・時間外診療や長時間を要する高難度手術が制限されてしまう。

・病院勤務の医療従事者は負担がおおきく、医療崩壊が近づくと思う。方向転換が必要なのでは?

・患者からのクレームが増加しないか?心配。

・現行の医療環境を維持しながら医師の勤務時間を減らすことはかなり無理がある。

・物価上昇しているのにも関わらず、給与は減る。今後医療を行なっていくモチベーションが保てない。

・収入が減額する可能性があり、ローン返済などが苦しくなる可能性がある。

・残業の評価が適正にされなくなるのではないか?

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上記はほんの一部ですが、「不満しかない」「改悪ではないか」などのネガティブな意見がほとんどでした。厚生労働省では医師の働き方改革を”長時間労働の医師の労働時間短縮及び健康確保のための措置の整備等”と定義づけていますが、長時間労働の是正が「医師のため」とは言い難い状況のようです。

まとめ:

医師の過労死の事例も大々的にニュースになった昨今、医師の長時間労働を減らしていく取り組みは前向きに進めていくべきですが、大幅な収入減が伴う場合は経過措置なども含めて慎重に対応していく必要がありそうです。各病院の、医師のQOLと労働時間削減のバランスを保った制度対応の手腕が問われる形となりそうです。

エムスリーキャリアでの医師や医療機関とのやり取りは1日約2,000件にも及びます。その中で見えてくる働き方改革のリアルな医師の思いや医療機関の動きなどを”医師採用と病院経営”の視点で今後もお届けしていきます。

エムスリーキャリア株式会社

医療関連ビジネスを展開するエムスリー株式会社(東証プライム上場)、株式会社エス・エム・エス(東証プライム上場)により、2009年12月に設立されたジョイントベンチャー。「イキイキと働く医療従事者を一人でも増やし、医療に貢献する」をミッションとし、医師をはじめとする専門職と医療機関等のマッチング支援を中心に、事業を展開しています。

URL:https://www.m3career.com/

医師の働き方改革サービス:

https://hpcase.jp/doctor-workstyle-dotcom/?doing_wp_cron=1694500054.6614420413970947265625

リリースに関するお問い合わせ先

エムスリーキャリア株式会社 担当:管理部 広報グループ
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